近年、家庭や事業所の固定電話に「非通知」の状態で電話がかかってくるケースが増えています。相手の電話番号が表示されないまま着信があると、「何かの詐欺かも？」と不安になる方も多いでしょう。特にご高齢の方がいるご家庭では、家族が心配する場面も見受けられます。
この記事では、非通知電話の正体やその仕組み、代表的な事例、そして安心して対応するための対策について解説いたします。
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非通知電話とは何か？その仕組みを解説
非通知設定とは？
非通知設定とは、電話をかけたときに、自分の電話番号を相手に見せないようにするための方法です。
この設定を使うと、かけられた側の電話には「非通知」や「表示されません」といった言葉が出て、誰からの電話かが分からなくなります。
たとえば、携帯電話や固定電話から誰かに電話をかけるとき、「184」という番号を最初に押してから相手の番号を入力すると、その電話は非通知になります。
自分の電話番号を知られたくないときには便利な機能ですが、最近では、詐欺や不審な電話が非通知でかかってくることもあるため、非通知の電話には出ないようにしている人も多くなっています。
なぜ非通知でかけてくるのか？
非通知で電話がかかってくると、「誰からの電話なのか分からない」「出ても大丈夫なのか不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。
最近では、このような非通知の電話を使った詐欺の手口が増えてきていることもあり、慎重な対応が求められます。
まずは、非通知が使われる基本的なケースを３つ紹介していきます。
1.【注意】詐欺や不審な目的の電話
非通知でかかってくる電話の多くは、相手の名前や番号が表示されないため、つい確認のために出てしまうこともあるでしょう。
最近は、この仕組みを利用した詐欺や悪質な勧誘が増えており、特に注意が必要です。
よくあるのが、「総務省」や「NTT」といった名前を使って信頼させようとする電話です。
自動音声で「2時間後に電話が使えなくなります」という内容が流れ、案内された指示通りに操作すると詐欺団体の人物とつながり、名前や住所などを聞かれるケースなどが報告されています。
このような電話は、正規の機関を装って個人情報を聞き出すことが目的です。総務省やNTTなどの公的機関が、このような形で突然連絡してくることはありませんので、注意が必要です。
2.セールス・営業電話
もう一つの非通知電話の例として、商品やサービスを紹介するための営業や勧誘があります。
これらの電話は、通信会社や保険会社、不動産業者などが行うことが多いです。非通知でかけることで、相手が電話に出やすくなる、あるいは電話番号を知られないようにする、という意図があります。
着信履歴からクレームが入るのを避けるために、非通知で電話をかけるケースも多く、しつこく何度もかかってくることもあるので、必要でないと判断したら無理に出る必要はありません。
3.相手のプライバシーを守るために使う場合もある
たとえば、病院や法律事務所、役所などでは、プライバシーを大切にするため、非通知を利用するケースもあります。
検査結果の報告や相談内容の確認など、他の人に知られたくない話題について連絡する際には、電話番号を表示させない方が安心できると考えることもあるのです。
高齢の方が特に注意したい理由
このような非通知電話によるトラブルは、特に高齢の方が巻き込まれやすい傾向があります。
年配の方は、自動音声の案内に従いやすく、また、まじめに対応しようとするため、相手の話を信じてしまうことがあるのです。
さらに、緊急のように見せかける内容で不安をあおり、「今すぐ対応しなければ大変なことになる」と思わせる手口がよく使われているため、家族や周囲の人がふだんから声をかけ、電話の対応についても一緒に考えることが大切です。
非通知電話の対策とは？
非通知で電話がかかってくると、不安に感じたり、どう対応すればいいか迷ったりすることがあるかもしれません。でも、あらかじめいくつかの準備をしておくだけで、いざというときにも落ち着いて対応できるようになります。
ここでは、非通知の電話がかかってきたときに、慌てずに対応するために知っておきたい、いくつかの方法をご紹介します。
1.家族で「非通知には出ない」というルールを決めておく
まず、一番大切なのは、ご家庭の中で「非通知の電話には出ないようにしよう」という話し合いをしておくことです。特に、高齢のご家族やお子さんが電話を取ることがある場合は、「知らない番号だったら出なくていいよ」「非通知だったら出ないようにしようね」とあらかじめ声をかけておくと安心です。
2.自動音声が流れたらすぐに電話を切る
非通知の電話で多いのが、自動の案内音声が流れるタイプのものです。
「この電話は重要なお知らせです」「オペレーターと話すには1番を押してください」といった内容が流れてくることがありますが、このような案内は詐欺の可能性が高いため、途中であってもすぐに電話を切るようにしましょう。
電話で大切なことを伝える場合、ふつうは自動音声ではなく、人が直接話すことが多いので、こうした音声が流れた時点で注意するようにしてください。
3.留守番電話の機能をうまく使う
固定電話に留守番電話の機能がある場合は、それを活用するのもひとつの方法です。
電話を取らずに、まずは相手がメッセージを残すかどうかを確認することで、その電話が信頼できるものかどうかを判断しやすくなります。
本当に必要な電話であれば、相手はきちんと名前や用件を録音してくれることが多いです。逆に、録音を避けたがる相手の場合は、不審な電話である可能性が高くなります。
4.非通知の電話を受け付けないように設定する
最近の家庭用電話機の中には、非通知からの着信を自動的にブロックする設定ができるものも増えています。
たとえば、「非通知の着信は受け付けません」というメッセージが流れたり、そもそも着信が鳴らないようにすることができます。
このような設定をしておくと、不審な電話がかかってくること自体を減らすことができるので、とても安心です。お使いの電話機の説明書や画面のメニューを確認して、非通知ブロックの設定ができるかを調べてみてください。
5.不安を感じたら、すぐに相談を
もしも非通知の電話を取ってしまい、不安な気持ちになったり、何かおかしいと感じたときは、自分だけで考えこまずに、家族や周りの人、または専門の窓口に相談してください。
周囲の人に頼れない場合は、「188（いやや）」という番号にかけると、お住まいの地域の消費生活センターにつながります。
また、「＃9110」は、警察の相談窓口です。少しでも不安なときは、早めに誰かに相談することが大切です。
まとめ
今回は、固定電話にかかってくる非通知の電話について、その仕組みや理由、そして安心して対応するための方法をご紹介しました。
非通知でかかってくる電話には、詐欺や不審な目的を持っているものもあるため、まずは注意が必要です。
「大事なお知らせです」「このままでは電話が止まります」といった内容や、自動音声でボタン操作を促す電話は、特に気をつけてください。
非通知の電話に備えてできることとしては、「非通知には出ない」という家庭内のルール作りや、留守番電話の活用、そして電話機での非通知ブロック設定などがあげられます。
万が一、不審な電話を受けて不安に感じたときは、消費生活センター（188）や警察の相談窓口（#9110）に迷わず相談することも大切です。一人で悩まず、必要なときには周囲と協力しながら対応していきましょう。
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